3月20日、イチローが引退を表明する前日、私の目の前にはそのイチローがいた。
と、言っても、イチローはグラウンドの中、私はライトスタンドである(笑)
記者会見を見てみると、もうその時は実は心の中では「引退」を決めていたことになるのだが、もちろん微塵も感じさせない彼の懸命なプレーには、今までの彼の功績に対して同じ日本人としての誇りと、また、彼が目の前でプレーしているという喜びを感じさせるには十分だった。
しかし、残念なことに、私は彼が「近いうち」に引退するのではないかという一種の恐れを感じていた。
それはイチローの態度からではなく、残念ながらパフォーマンスの衰えを見て取ったから。
あの、イチローが…
いとも簡単にヒットを打っていた、ヒットを打とうと思えばいつでも打てるんじゃないかとさえ感じさせたあのイチローのバットから、最後まで快音が響くことはなかった。
全盛期から比べてはいけないのかもしれないが、おそらく、筋力・動体視力などおそらくではあるけれど、かなり全盛期よりも数値が悪くなっているんじゃないかと想像できる動きだったから。
そして、その日はまんまと私が感じたその翌日に来てしまった。
悲しい。
が、しかし、イチローの記者会見、もう心の整理はついていたようだ。
言葉のはしばしに、実際にはできるならもっとやりたかったんだということは感じられたけれど。
もう限界だったかな。メジャーはそんなに甘くはない。
それでも、イチローの残した記録と記憶は、永遠に色あせることはない。
ありがとう、イチロー。おつかれさま、鈴木一朗。

